12月21日
週が明けて月曜日。朝から授業に出る。夕方から中国人の大学院生と食事。日中関係にとても通じており、良い議論ができた。
その大学院生との会話の中でも出て来たことなのだけれど、ようやく日中共同歴史研究の成果が出てくるようだ。24日に総論部分だけ発表されるようだ。ただし、それによって出てくるのは、達成感や成果というよりも、歴史認識の溝の深さと課題であるようだ。例えば、近代史については、特に日中戦争の評価と事実認識で諸説を併記することになったし、現代史の中国建国後については、中国側の事情によりあんまり進まない。81年の歴史決議を基にして、大躍進、文革などは語れるかもしれないが、その後の天安門事件や80年代の政治動向、そして90年代からの日中関係の関係悪化については、評価できないからである。ただ、成果についても評価できるものは多い。例えば、歴史認識の差異が明らかになることについては、日本側の認識では当たり前の感覚で見るかもしれないが、中国ではそうはいかない。例えば、南京事件の「犠牲者(この表現も考えられている)」は30万人」ということが中国では厳然だる事実なのだけど、諸説を併記することで、歴史認識の在り方自体が問われることになる。そこには、再調査や客観的事実確認などの始まる切っ掛けが隠れているように感じる。
しかし、悲観的な推測をすると、この日中歴史共同研究の結果は、おそらく中国では大きく報道されないだろうし、結果によって、中国で歴史認識に関する議論が喚起される可能性は極めて低い。委員の人選や中国内での報道事情から鑑みて、この事業を積極的に取り組んでいない(というか警戒している)のは間違いないし、大きく進展させようとも思っていないだろう。
結局は、この問題の帰結というのは、中国国内の状況に求めるしかなさそうだ。柔軟な歴史認識と教育が中国で始まらない限り、歴史認識問題は燻り続けることになると思う。
M-1グランプリの決勝戦の様子が、コマ送りでニコニコ動画にアップされていた。笑い飯が作ってきたネタは「鳥人」。このネタで紳助の100点満点をはじめ、ダントツの点数を獲得したようだ。しかし、最終決戦で笑い飯は「チンポジ」という定番かつ公共の電波に乗せるにはあまりにぎりぎりのネタを披露した結果、安定感のあるパンクブーブーのネタに見劣りし、結局は優勝を逃した。なんとなく結果は納得できる。パンクブーブーは確かにおもしろかった。それはそうと、「鳥人」のネタは、漫才史上に残るネタになることは間違いないだろう。設定からしてぶっとんでいるし、テンポの良さに至るまで、不満点はほとんどみつからない、本当にすばらしかった。近いうちに、このたまりにたまった笑い飯に対する思いを文章にしてみたい。