3月29日

再び月曜日。朝起床してニュースをチェックしてから、朝ご飯を食べに、饅頭屋さんへ行く。もう朝でもそれほど寒くないので、饅頭屋さんにもほぼ毎日行くようになった。昼は、比較体制論の授業に参加。それから部屋と図書館で作業。平々凡々な留学生活である。

ワシントンポストが、インドネシアにおける対米感情の変化について、おもしろい記事を載せていた。中国のいわゆる「北京コンセンサス」に同調した議論がインドネシアの世論に台頭し始めているのだという。北京コンセンサスという言葉は、そもそも語義が明確ではなく、その意味するところは発言者によって異なるが、その記事の文脈でいうならば、それは市場における国家介入の在り方だけではなく、政治体制をも含む、いわゆる普遍的価値とされる「西側民主主義」のオルタナティブとしての北京コンセンサスである。こういった政治体制をも含む議論は、インドネシアに限ったことではなく、十分な政治的安定を達成していない発展途上国ならば、どこにでも起こりうる現象である。こういったアメリカ的、西欧的価値のオルタナティブとしては、80年代の日本台頭に付随して、護送船団方式や日本型カイゼンなど言われたこともあったけど、その場合の意味するところは、主に経済体質、経済改革の域をでるところではなかったし、その言説空間への影響は、日本のバブル崩壊とともに消え去り、一過性のものに過ぎなかった。いわゆる北京コンセンサスなど西欧的価値観へのオルタナティブとしての「中国モデル」の波及は、どのように語られて、どの程度影響力を持つのだろうか。疑いなく、中国の経済規模の拡大が続く限りは、これからますます議論されることになるはずである。