5月24日

早朝に起きて久しぶりのランニング。十日留守にしているだけで、北の湖の景色は一変していた。あれだけ色鮮やかに咲いていた花々は新緑の木々に取って代わられ、工事中でビニールシートで覆われていた地区に新しい奇麗な校舎が建っていた。そして、なによりも朝から暑くて息苦しい。今の季節は日本の方が過ごしやすくなっている。冬は寒いし、夏は暑いし、北京は過ごし難い。

部屋に戻って、作業をしていると、服務員が部屋に尋ねてきて、「新しいルームメイトが入るから、ちょっと掃除させてもらうよ」と言って部屋の片方を掃除し始めた。暫くすると、男がひょいと部屋を覗きにきた。どうやら新しいルームメイトのようだ。軽く自己紹介をして、そこは終わる。

比較政治の授業に出席。ついにお待ちかねの「中国モデル」について。しかし、何を言っているのか、さっぱり訳がわからない。彼らの定義する「中国モデル」は比較政治学の文法とはかなり違う次元で議論をしているようだ。これは少しちゃんと勉強しないと、分からないままだなぁ。

昼からは図書館で作業。夕方から、大学関連でお世話になっている人の招きで、夕食会に参加。深夜に帰ってくる。そうすると、新しいルームメイトがすっかり引っ越しを終えて、部屋の細かな整理に勤しんでいた。少し話していると、「お前、酒は好きか?」と聞いてきたので、「好きだ」と答えると、今から飲みに行こうという。急ぎの用事もないので、大学の近くの居酒屋へ二人で飲みに行くことになった。

彼は、博士課程に所属している40歳の韓国人で、外国人向けに中国語を教えることを専門にしているとのこと。だから、私が言葉の用法などを間違っていると、丁寧に訂正してくれる。これはとてもありがたい。私より10センチほど背が小さいが、身体はがっちりしていて、顔は韓国人にいそうな感じである。週末には郊外の学校へ先生として出向するらしく、留守にするらしいとのこと。かなりやさしい性格なので、うまくやって行けそうである。私は彼のことを、韓国語でお兄さんという意味の「ヒョン」と呼ぶことにした。これから一ヶ月半くらい、生活を共にすることになる。