7月13日

朝からランニング。朝ご飯は宿舎の少し高いバイキング。食堂が使えなくなったので食費がかさむ。昼から図書館で作業。夜は、大学の後輩と飲みにいく。中国留学も終盤なので、一年間の留学生活のことで話しが盛り上がる。

この前の参院選について、中国も結構注目していたが、特に注目すべき議論はなかった。それにしても、民主党の惨敗には、これから数年の日本の政権運営に不安を持たざるを得ない。今回は争点が曖昧だったうえに、複雑な結果が出たので、民意の解釈とこれからの行方がはっきりしない。少なくとも、民主党内では政局を巡って混乱することになるだろう。私は、民主党の政局を軽視してはいないが、本来的な意味に戻るなら、目下大局に立って、挙党体制で政権運営してもらいたい。その点、世論の小沢嫌いを意識して、菅–枝野ラインが明確にした脱小沢戦略は、選挙で失敗した結果として、かなり不味かったことだし、拙策だった。
民主党以外に目を移せば、一人区で自民党が競り勝ったことは、何を意味するのだろうか。消費税では同じ政策を掲げているのだから、それによって自民に戻ったわけではないとすると、単に旧来型の地道なドブ板選挙戦略が功をそうしたのだろうか。それとも、鳩山政権の泥沼により民主党政権そのものに対するアンチが強かったのだろうか。自民党は、野党として、また潜在的与党として、まだまだ出すべき膿はあるはずである。自民党にはもう少し苦しむ期間があっても良かったのではないか。他方で、参院議長に林氏など若手有望な議員の名前が上がっていることには、自民への体制移行にも期待がもてるような気がする。
そして、やはり今回の選挙で注目すべきは、躍進したみんなの党だろう。一時帰国した際にも、鳩山政権のいざこざがあったこともあり、「自民でも民主でもないなら、みんなの党」という声をよく聞いた。その後みんなの党は管政権の誕生で一時窮地に立たされたが、消費税発言でいっきに無党派や消費税反対勢力の支持を獲得したようだ。みんなの党の政策自体には、私も共感するところは多々ある。しかし、今回の躍進は、消費税引き上げへの反対姿勢を鮮明にしたことであったために、少なくとも今後の財政再建について、大きなブレーキを踏んだことは間違いない。引き上げの前にやるべきことは、それほどあるのか、そして、同時並行的にはできないものなのか。ただ少なくとも、民主党との連立ではなく、政策連携の形で政権と付き合っていくようなので、今後の国会での議論は、政局よりも政策へ焦点が移り、議論が鮮明になっていくことは好ましい。
私は、中国にいるせいもあって、強力な指導力を求めたくなってしまっているようだ。この五年の日本の政治権力を巡る混乱と政策議論の停滞を見ていると、本来的には悪いことではあるが、中国の政治体制が少し羨ましく思ったりすることもある。