3月4日

早朝から起床して作業。最近寮(特にトイレ)が汚い。新しい留学生がどっと増えて、掃除やらが間に合っていないんだろう。もう慣れたけど、やっぱり清潔な方が良いことには変わりはない。

昼すぎから銀行に行く。長蛇の列である。このところ毎日のように銀行などに用事で出かけている。図書館などで文献などを収集する。北京大学の図書館は中文にかんしてはマニアックなところも所蔵していて、かなり助かっている。外国語については、やはり規制もあるのか、寂しい所蔵状況であるが・・・。

本科に入ってからというもの、なかなか人と接する機会が少なくなってしまった。今日もほとんど一人で行動し、授業で友人などと出会うものの、一言二言しか話さない。今日は夕方に一つ専門中国語という本科に設置された中国語の授業に参加したが、そこに参加しているのはほとんど留学生であるが、彼らの中国語能力は私など足下にも及ばないほどすごい。受ける必要なんてないんじゃないのか。そんな中で中国語で報告させられることを求められる機会は貴重だし、頑張って出てみよう。

一人の時間が多くなった分、自分のことに没頭できるが、中国語でのコミュニケーションの時間が減るのは、惜しい。言語パートナー達と頻繁にご飯を食べることを目指そう。

今日は全国政治協商会議が開始された。明日からは全国人民代表大会である。これら二つを両会といって、一月から二月にかけて地方の基層レベルの両会から地方トップへまわされ、そして全国が現在開催されているのである。この時期の中国は一年でもとりわけ民主的な雰囲気が流れる。領導下とはいえ、地方から色々な政治的論点が中央に吸い上げられ、侃々諤々の議論が行われるのである。現在人民日報でも両会特刊が組まれ、タダでウェブ上で見れるようになっている。今回の両会のなかでも私個人としても興味が引き寄せられているのは、都市農村格差の問題である。一つの大きなトピックとしては、都市農村の人大代表人口比率の格差である。現在8:1から4:1の格差があるものを選挙法を改正することによって、それを是正しようとするものである。また、同じ都市農村問題でいうならば、戸籍問題についての批判が地方誌を中心に起こってきているらしい。この戸籍問題については、両会でも取り上げるものではなかったらしく、地方紙の責任編集者が政府から処分をうける可能性可能性がある。また、人民日報上には、そうした地方中央の格差をどのように是正するか、という論点についての記事が載せられ、問題を整理している。例えば、議論されるかは分からないが、地方や内陸に広がった地方企業の雇用体制改革(最低賃金の引き上げなど)や監視機関など、具体的政策の手法が議論されているのである。とにかく、都市と農村、中央と地方の格差を是正するというのが、目下の中国政治の一大トピックである。国内から中国政治を眺めていると、外交問題は国内政治の前提として、あるいは十分条件としての位置づけに過ぎないようにも感じる。