5月11日

朝は部屋で作業。昼から授業。そして図書館で作業。いつもと同じような日である。夕方には、ちょっとした用事で人民大学まで行く。

最近、大平正芳の政治家としての人生や政治的業績の見直しが徐々に活発になってきているように思う。中公新書でも『大平正芳』が出たし、森田一氏の大平回想録も出版されている。私は卒業論文で大平正芳を取り上げたので、この動きは当然のことだと思う。私自身も彼の伝記などを通じて彼に心酔した一人で、自身は無神論者のくせに、研究していた頃にはクリスチャンだった大平を真似て、毎週日曜日には教会に通ってしまったほどである。同時代的には大平の評価はそれほど高くなかった。首相在任中の急逝により、ちょっとした神格化がなされたものの、ちゃんと内容の伴う再評価には至っていなかった。彼の政治的業績はどのようなものであったか、そして彼の政治家像をどのように評価できるか、そして、現在に何を残したのか、これからちゃんと再検討する必要があるだろう。