6月29日(敦煌)
ゆっくり目覚め、朝は敦煌観光について、ホテルの人達と相談する。家族経営でとても善良な人達だったので、明日の遠出のツアーを安く手配してくれて、おまけに柳園までの乗り合わせタクシーまで手配してくれた。なんて良い人たちなんだ。おまけに、今夜の日本対ウクライナの試合をホテルの自分達の部屋で見ても良いという。
昼前に市内近くの観光を開始する。まずは、敦煌に来たのならば皆が行くであろう、莫高窟へ。市内のバスを利用して行く。現地へは30分ほどで着くと、さっそく入場券を買う。ここでは留学生の学生証で入場料が半額となった。早速ゲートに行くと、ガイドをつけるために、ある程度の集団になってからいくことのことで、多少人数が集まるのを待ち、中年女性3人とその小さな娘一人との行動となった。かなり品の悪い人達で、貴重な展示品に触ろうとするわ、そして実際に触るわ、おまけにトイレではなく、道脇で用を足すわで散々な人達だった。ガイドの説明をあんまり聞かず、なかなか聞き取れない私からすれば、もったいないことをしていた。
そんな中でも、莫高窟の壁画はすばらしい。心が洗われるとはこのことである。とりわけ天女の壁画なんかには心を打たれる。とてもキレイで、日本の壁画にはないような、優雅さとシャープさが感じられる。この辺りはインドや西洋の影響を受けているのだろう。そして、意外だったのは、唐の時代から修繕を重ねられて現代まで至っていることである。だから、壁画の上に再び壁画が描かれているのも多くあったようだ。また、現代の修繕や保存などには、日本が多く貢献しているようで、ナレーションでも、色々な展示の中でも見られた。その一方で、1900年辺りの時期に西洋諸国にさまざまなものを持っていかれたことを強調しており、このあたりに根源的な反帝国主義的な啓蒙活動が垣間みれる。啓蒙活動というか、当たり前のことをいっているのだろうが、いずれにせよ、こうした機会に歴史認識の再生産が行われているのだろう。そして、一通り見終わった後に、莫高窟を後にしようとすると、陳列館という施設があることに気付いたので、そこに行く事にすることにした。これが意外にも、かなり充実したもので、おまけにお触りありだったので、かなり良かった。壁画に関する説明もとても詳しく映像で説明してくれていた。ここに観光客が少なかったのが、またもや意外で、多分中国に住んでいると、こうした映像や説明は耳にタコができるほど聞いているのだろう。
一旦市街に戻り、再びバスに乗って、近くの砂漠へ行く。砂漠では一人で楽しく遊んだ。砂漠の坂を登ったりするのは、楽しくて、淋しくて、疲れて、とても良い経験になった。ハシャギすぎて管理人に怒られたほど、一人で盛り上がっていた。
再び市街に戻り、市街散策。疲れが溜まっていたので、空いている時間を利用して、中医のマッサージ屋へ行くことにした。そこは日本人のマッサージ師を師とする人が営んでいて、この旅では珍しく私を一発で日本人だと気がついた。とても痛かったが、疲労がすっかり抜けた気がする。
その後、昨日と同じ夜市場へ出かけ、昨日は少数民族の羊肉串を食べたので、今回は漢民族の店を選んでみた。高くて不味かった。おまけに値段を定価より吊り上げてきた。こうしたことについては少数民族の方が誠実なのか。その後、熱は出すし、お腹は壊すしで、そのお店は最悪だった。
ホテルに帰り、ワールドカップを観戦。延長線、PKの末、日本が負けてしまった。これには大変ショックを受けてしまい、あんまり寝られなかった。